〜北海道・道東の旅〜
(2011年2月15日〜2011年2月19日)

2011年2月15日〜19日。マイル旅行で日本の東端へ行った。2006年に西端・与那国、2007年に北端・宗谷岬を訪れている次第に日本の端っこを制覇しておきたいという衝動が増してきたので、今回、東端の納沙布岬を目指すこととなった。途中では冬の流氷や釧路湿原、それから小樽観光もすることにした。

1.女満別へ

北海道の玄関といえば新千歳空港であるが、道東からは遠い。今回は女満別空港を起点として移動していきたい。全日空で女満別空港行きの飛行機は羽田空港と中部空港から出ている。そこで中部空港便まで電車で移動して、そこから全日空便に乗り継ぐことにした。8:34に三ノ宮発新快速で新大阪に行き、新大阪から名古屋まで新幹線を利用した。名古屋から中部空港までは名鉄となる。料金的には金山で乗り換えたほうが安くなるのだが、ここはルートを誤ってしまったと言わざるを得ない。さらに名鉄の特急は自由席ならばミューチケットが要らないようで、余計な出費をしてしまった。

中部空港で空弁を買って飛行機に乗り込んだ。サービス競争なのか飛行機のCAがやたら親切であった。といってもオシボリを出してくれたりゴミの片付けをしてくれたりという程度だが・・・。料金払って乗ってないのにサービスだけしてもらうのは性に合わないので、ビールセット(¥500)を買った。早速、飲んでしまったのだ。

女満別空港はむしろ暖かかった。空港内の職員はワイシャツ半そで。天気は快晴。空港前からすぐに連絡バスが出るので余り時間は無かったのだが、外も氷点下とは思えない感じ。バスの車内は暖房を効かせているので場合によっては汗ばむぐらい。連絡バスで網走港の流氷船ターミナルへ。

女満別空港
女満別空港

2.流氷が来すぎた網走

流氷船のターミナルは道の駅にもなっていて観光客でごった返していた。というか流氷船に乗りたい観光客でごった返している。事前の予約を行っているので、チケットを窓口に出すと「流氷が押し寄せすぎていて港の外に船を出せない」ということで、今日は港内を回るコースになるとのことだった。キャンセルも出来るとのことだったが、明日は明日の風が吹く的な状況なので、それでも乗り込むことにした。短時間になった分の運賃差額を返金してくれた。

船の上はさすがに寒かった。コートを着ているので凍えることはないのだけれど、ビールに火が付いているので船上で冷たい缶を持つ手が震える。カメラのシャッターを押さないといけないから手袋は付けなかったので。海上の氷の上には白鳥やらカモメやらが羽を休めていた。流氷船は港内のシャーベットみたいになった流氷のなかをグルグルと30分ほど回った。だんだんと目が回ってきたころに岸壁に戻った。

翌日の北海道新聞によると、この日は午前中は欠航になっていたそうだ。それで午後も港内を回るだけ。港内足止めは3年ぶりとのことで、船会社の人もこんなに大量の流氷が押し寄せてくるのは珍しいと驚いていた。それに、前日・前々日は氷が無くて欠航していたというから流氷は気まぐれなのだ。

流氷船を降りて、ホテルの送迎車に乗り込んだ。

流氷1
流氷1

流氷2
流氷2

3.網走観光ホテル

今日泊まった網走観光ホテルは港から少し離れた網走湖を望む高台にある。客室からも大浴場からも網走湖を見ることができる。このホテルは司馬遼太郎が何度か訪れているそうで、そのときの旅行記を記した「街道をゆく(38巻)」の一部がコピーして展示してあった。「街道をゆく」読んでみようかな。

この時期の湖は完全に凍っていて、湖上では夜、イベントが開かれていた。夕飯後にイベントを見に行ったが、30人ぐらいの客足でその殆どが中国人だった。スノーモービルや雪上車がたまに走る。気球が珍しいのかそればっかり並んでいた。イベント会場でアイヌ文化っぽい点火台に火をつけるイベントだけ見て帰った。その後に輪投げ大会をやっていたが、あまりにハズレるので係員が苦笑していた。先着3人にプレゼントがあったらしい。

ホテルも中国人観光客が半分くらいいた。エントランスには「歓迎 LION 2C7 ご一行様」とかよくわからん団体名が掲示されていた。どうも中国人ではツアーは記号で管理しているらしい。彼らはあまり温泉に興味が無いのか、大浴場は夜も朝も閑散としていた。

4.定期観光バス

2日目は朝から定期観光バスで網走を巡る。レンタカーは心もとないし、市内の路線バスをダイヤを気にしながら利用するよりも一式セットになっている定期観光バスは楽チンだ。5組ほどの客がいた。

観光バスは各ホテルで乗客を集めたあと、流氷船乗り場へ。夜の内に北向きの風が吹いたので、今日は港外へ出航できるとのことだった。それでもまだ大量の流氷が海を覆いつくしている。さっそく船に乗り込む。昨日とは違う迫力で楽しめた。

流氷船を降りてから、博物館網走監獄へ。網走刑務所の昔の建物を移築して保存している。現在の刑務所は近代的な設備となっているが、網走監獄と呼ばれていた大正から昭和初期は木造で死ぬほど寒かったらしい。収監されていた囚人たちは生きるか死ぬかの厳しい場所で、強制労働までやらされていた。主に政治犯が多かったとのこと。戦前の社会主義的体制の中で網走という地名は行ってはいけないところを指していたのだろう。

網走監獄を出て、流氷館へ。ここはマイナス18度の極寒を体験できるのだが、既に外が十分に寒いので、極寒なんだかよくわからなかった(一応長時間居られない程度の寒さではある)。展示されているクリオネは、それが思ったより小さく(体長1.5センチくらい)羽ばたくように泳いでいる姿はなんとも可愛らしかった。

一行は市街地を経由して海鮮市場へ。網走には東京農大の研究施設があるらしく下宿マンションが点在している。ワンルーム需要はありそうだ。海鮮市場で昼食を食べて外へ出ると、海岸が凍っていて少しだけ海の上を歩くことができた。とはいえどこが海岸線か分からないくらい一面真っ白。

JR北浜駅へ移動し、ここからノロッコ号に乗車。ノロッコ号は冬だけ運行しているイベント列車(普通車)で、客車にストーブがあるお座敷列車みたいなもの。ツアー客や鉄道ファンが喜びそうな代物。僅か2駅の乗車だったが、私も楽しかった。

観光バスはこれで終わり。網走駅で下車した。本当は濤沸湖白鳥公園で白鳥を見るコース予定だったのだが、13日に鳥インフルエンザの影響を抑えるため公園一帯が立ち入り禁止となってしまい、観光は中止になった。

網走監獄
網走監獄(右の守衛は人形)

(今の)独房
(今の)独房

クリオネ
クリオネ

北浜駅
北浜駅

ノロッコ号
ノロッコ号

ストーブに石炭を入れる車掌
ストーブに石炭を入れる車掌

5.網走駅から川湯温泉へ

網走駅でフリーパスを受け取り、JRへ。網走から釧網本線で川湯温泉駅へ普通列車で向かう。2時間。川湯温泉駅でホテルの送迎に乗って、宿泊地の湯の閣に着いた。川湯温泉はPH1.9の強酸性硫黄泉で舐めるとかなりしょっぱい感じ。加水せず100%かけ流しの贅沢な温泉だ。

川湯温泉では夜、人工的にダイヤモンドダストを発生させるイベントをやっているが、この日は気温が高く中止となった。北海道に到着してから天気もよく気温も高いので「冬の北海道ってこんなもんか?」と勘違いしてしまいそうだが、到着する直前の2/12〜2/14は寒波で吹雪いて、網走などでは道路は通行止め、雪祭りも中止になるほどだったらしい。天気の移り変わりは激しい。

網走駅
網走駅

キハ54
キハ54(釧網本線と花咲線で走ってる)

6.川湯温泉から根室へ

3日目は川湯温泉から根室へ移動する。今回、網走から根室へ移動するのだが、公共交通ではJR以外のルートが無い。網走と札幌、釧路と札幌、根室と札幌、というように札幌を拠点とする高速バスは比較的充実しており、JRも札幌網走・札幌釧路の各間は特急がある。だが、釧網本線と釧路根室間の花咲線は快速とは名ばかりの普通電車しかない。冬の間は移動が大変困難なのである。都市間の仲が悪いのかな?

川湯温泉から快速しれとこで釧路へ。釧路湿原ではエゾシカが居た。釧路湿原駅でタンチョウを見ることが出来た。車内にはカメラを持った観光客も乗っていたが、地元の子どものイビキが車内に響いていた。

実は川湯温泉駅は無人駅で駅前にも何にもないので、ホテルを出る前に摩周駅の売店に電話で駅弁の注文を入れておいた。時間調整のため摩周駅に7分停車するので、この間に弁当を受け取った。売店の人は「時間無いから急いで!」と慌てていたがダイヤ的に遅れてるわけでもなく7分あれば十分だった。

東釧路駅で乗り換える。根室本線の釧路〜根室間は花咲線という愛称が付いている。最初は学生が結構乗り込んでいたが次第に降りていった。電車通学も大変な場所だ。

こちらの路線の方がよっぽどエゾシカが出没するようで、頻繁に警笛を鳴らしては速度を落としていた。エゾシカにぶつかることはなかったが、電車は10分ほど遅れて根室駅に到着した。駅と道路を挟んでのバスターミナルで納沙布岬行きの路線バスのキップを買った。

タンチョウ
タンチョウ

エゾシカ
エゾシカ

根室駅
根室駅

7.納沙布岬

根室駅前から納沙布岬へは路線バスでも40分ほどかかる。しかもバス代が結構高い。利用者は下校する学生ぐらいしかいない。納沙布岬に到着したのは16:40。天候が曇っていて、日没直前なのにあたりは薄暗かった。周囲の売店は16時で閉店してしまっているため、ひと気もない。納沙布岬を示す碑と灯台を見た。北方領土を見ることは出来なかったが、一応ロシア側が支配している貝殻島の灯台の光を見つけることができた。距離感は掴めなかったがそう遠くないところに国境が敷かれているはずだ。

昼間なら多くの観光客がいるのだろうか。暗くなった納沙布岬から駅前に戻るバスは私たち以外に客が乗ってくることもなかった。

駅前に戻ると雪が降り出した。タクシーに乗り込んで宿へ向かった。ホテルねむろ海陽亭。

四島の架橋
四島の架橋

納沙布岬
納沙布岬

8.根室から札幌へ

4日目は移動日。午前中、根室市内を散歩した。昨晩から降り出した雪で道路は真っ白。除雪車が忙しなく走っている。根室港は岸壁が雪で覆われていて、海は流氷で覆われていた。

根室駅から快速はなさきに乗って釧路へ。釧路から特急スーパーおおぞらに乗り換えた。駅でビールを買い込み、特急の売り子からも缶ビールなどを買った。およそ6時間の移動で札幌に着いた。駅からすぐのホテルクレスト札幌。ビジネスホテルなので夕食はススキノへ。焼肉を食べに行った。

根室港
根室港

特急スーパーおおぞら
特急スーパーおおぞら

ススキノ
ススキノ

9.小樽

最終日。札幌から小樽へ。電車の本数は比較的多いが海岸沿いを走るので遠く感じた。

小樽に着くとまずは駅に観光案内所があるので情報収集。それから小樽運河を見に行った。小樽運河は運河と倉庫群が印象的な観光スポット。観光客の多くは韓国人のようだった。中国語らしき言葉もあった。もう少し広い範囲かと思っていたが、見物は1ブロック程度でこんなもんかという印象だった。

そこから少し歩いて北一ヴェネツィア美術館に入った。ここは北一硝子という会社が運営しているベネチアの歴史などを紹介する美術館。北一硝子はガラス製品の製造販売をしている企業で、ベネチアはガラス工芸品の工房が多いことで有名だそうだ。また水上に築かれた都市で運河のある小樽とも遠からず共通点があるのだろう。展示品は80〜90年代に活躍したガラス工芸の芸術家の作品を展示している。一部に古い作品もあるが、殆どが現代作品だった。

少し駅の方へ戻って、天狗山へ登った。山麓からロープウェーが出ている。ロープウェーで8合目まで登ると展望台がある。時折雪が降る天気だったが、市街を一望することができ、そこで昼食をとった。登りのロープウェーでもまた中国人団体が乗っていたが彼らは写真を撮ってほどなく下山していったらしい。今回の旅ではやはり中国人観光客を頻繁に見た。だが、有名そうな観光スポットを点でつないで移動しているようで、少し外れたところでは全く会わなかった。彼らはバスで移動するから、電車にも乗っていない。ホテルでも温泉には入ってこなかった。一方、中国や韓国ではない欧米の観光客は電車に乗っていることがあった。欧米人は個人旅行が中心のようで一人あるいは二人のようだ。今回ではないが欧米人が銭湯や温泉に入っているのに会ったこともある。どちらが良いわけでもない。文化や考え方でそれぞれの観光があるのだなぁと思った。日本人も昔はヨーロッパに団体ツアーで行っていたようだが、今は個人旅行が多くなっている。そういうことだ。

少し時間ができたので再び小樽運河のほうへ戻って、小樽港を見て(何も無かった)北一硝子などの土産店を見て駅に戻った。

小樽駅
小樽駅

小樽運河
小樽運河

小樽市街
小樽市街(天狗山から)

10.帰路へ

小樽駅から快速エアポートで新千歳空港へ。ほぼ1時間。新千歳空港から帰りの飛行機に乗る。新千歳空港はなぜか缶ビールを売っている店が見当たらない。ずいぶん探して1軒だけあったのでそこで買った。結局、神戸空港に着くまでに機内でも買った。

なんだか飲んでばっかりの旅になってしまった。5日間で25本も飲んでいた。そういう旅も楽しい。