〜大分県日田市夜明〜
(2008年7月18日〜2008年7月21日)

さんふらわあを利用する旅も早いもので5回目。でもまだネタはあります。今回のキーワードは「夜明」。JRにそういう名前の駅があるんです。そして夜明駅から程近いところにあるのが「夜明温泉」。なんと美しい名称でしょう。陽の出ずる国・日本を象徴するかのような温泉。これは行ってみないといけません。と思ったのが去年3月。ところが、お目当ての夜明温泉は廃業しているようで電話がつながりません。(観光ホテルなのですが)。今回は西大分から夜明までの切符を利用しての途中下車旅です。


今回の旅マップ

1.神戸六甲→大分港

もはや乗りなれた「さんふらわあにしき」。三ノ宮駅前からの連絡バスを利用し、六甲アイランドのフェリー乗り場へ向かいます。明日から夏休みシーズンということもあり、子供連れ親子が多いように思いました。ここで稼がないとフェリーの将来が危ういわけです。頑張れ関西汽船。今回もフェリー内では発泡酒5缶を飲んで酔いつつ寝ました。

寄港便は大阪南港から神戸港、今治港、松山港と経由して大分港へ向かう路線で、今治には午前5時40分に到着します。その今治を出てすぐのところが、来島海峡という日本でも随一の海峡です。ここは潮の流れの速く、小島が多いことから航海の難所とされています。また漁船も多くいるため、大型船舶は12ノット(時速22キロ程度)で航行しなければなりません。

安土桃山時代、このあたりには来島水軍が陣を構えていました。関ヶ原の戦いに敗れた来島氏は現在の大分・玖珠町に森藩として追いやられます。森藩は今回の旅ルートにもある重要なポイントです。

フェリーは少し程度遅れて運行していました。阪神での荷積みが遅れたことが影響しているのですが、今治・松山でも取り戻せず、大分港には約10分遅れの12時15分に入港。今回は列車のダイヤを厳密に組んでいるため、乗り遅れは許されません。少し苛立ちながら、西大分のスーパーでおにぎりと酒を買って、西大分駅へ。


さんふらわあにしき 雑魚寝も7割くらいうまっていた


来島海峡大橋 これから橋の下を渡る


来島海峡大橋 大型船の周りに小さな漁船が沢山

2.西大分駅→豊後森駅

西大分のホームに着いたころ、ちょうど雨が降り始めました。台風が黄海上にあるということで、ときおり雨が予想されていました。西大分から大分までは日豊本線で1駅。その後、久大本線に乗り継いだときには雨は止んでいました。何とか天気は持ち直してくれたようです。

YELLOW ONE MAN DIESEL CARと書かれた真黄色の車体はまだ電化されていない久大本線をひた走ります。大分から向之原(むかいのはる)あたりまでは市街なので学生など乗客も多いのですが、それをすぎると由布院に向かう観光客が目立ちだします。私も向之原を越えて乗客が減ったあたりで酒を飲みながら昼食をとりました。列車でのご飯と酒は旅行のムード満点。通路を隔てた向かいではトランプゲームをしている男女4人客がいました。大学院生?若いなぁと思いつつ。彼らは由布院で降りていきました。

由布院から先へ向かう観光客は僅かです。

さて、西大分駅から最終目的地・夜明駅までは104キロあります。JRでは100キロを超える乗車券は途中下車できることになっています(というか、100キロ未満は下車前途無効という決まり)。そこで、1枚の片道切符で豊後森や日田で下車します。西大分駅は駅長がいますが混雑しそうなので切符は予め神戸で確保しておきました。


日豊本線のCommuter Train 815


久大本線のYELLOW ONE MAN DIESEL CAR "Y-DC125"

3.豊後森機関庫

豊後森はなかなかの田舎ですが、昭和時代は機関車の車庫があった町です。駅からすぐのところに、今もその機関庫が残されています。市民団体が観光地化をしようと整備をしています。建物内部は立ち入り禁止とのことですが、工事中でもありこっそり入ってみました。

なんだか銀河鉄道999を思わせるような、昭和の廃墟となった機関庫は、既に線路も撤去されていますが、どことなく懐かしさを感じます。多いときには25両の機関車と200人を超える職員が就いていたということです。新幹線など高速鉄道が整備された現代も、期間限定で走るときには多くの鉄道ファンを魅了する機関車。ゆっくりとした時間の流れが心地よいのですね。

ライトアップ工事をしていましたので、もう少しすると夜は綺麗に見えるのかもしれません。


豊後森機関庫 全景。当時のままとはいえ割れた窓は少し不気味。


豊後森機関庫 機関車の回転台。ここに機関車を乗せて方向換えします。

4.森藩城下町

豊後森駅から北へ30分ほど歩いたところに、旧森藩の城下町が広がります。最初にも書いたように、森藩はもともと来島海峡の水軍でした。関ヶ原の合戦後、この地へ移転した来島氏は、2代目藩主が姓を久留島と改めます。その後、明治の廃藩置県まで12代にわたってこの地を治めました。

今は城下町を再現するよう整備され、本町通りを行くと三島公園・末廣神社があります。この通りには桃太郎や一寸法師、金太郎といった数多くの童話の石像が置かれています。久留島氏の子孫、久留島武彦はこの地で生まれ育ち、日本を代表する童話の語り部となりました。日本のアンデルセンとも称えられています。通りの中ほどには久留島記念館もあり、森藩と久留島武彦の歴史が展示されています。

その久留島武彦は関西学院大学の1期生として卒業、その後神戸新聞の創刊にも関わり、神戸にも縁のある人物です。

森町はこの日、ちょうど祭りの直前のようで、末廣神社では御輿をもってなにやら祈願する若者衆がいました。一昨年、三重町へ来たときにも祭りに出くわしましたが、大分はいつも祭りをしているのでしょうか。

久留島記念館の人は観光客が珍しかったのか色々と語って下さいました。で、駅に戻るのも時間が押し迫っているということで、たまたま近くにあったバス停からバスを利用して戻りました。駅までの乗客は私一人のみ。時間帯にも拠るのでしょうが、もう少し利用者を増やせないとこの路線も危機的なんだろうなと思いました。


森町城下町 観光客は少なかった


かぐや姫 この石は愛媛県の大島石をわざわざ運んだそうです


桃太郎 おっさんが生まれている感じだ


末広神社 小高い角埋山の中ほどにあります


久留島記念館 入館料200円、資料は結構豊富に感じました

5.日田・ひなの里山陽館

豊後森から日田までは普通電車で30分ほど。さすがに疲れたのでコーヒー牛乳でも飲みながら過ごしました。だんだんと山の中に入っていくような路線です。

日田駅前は少し街になっています。でも暑いので人は殆どいません。こちらものんびりしていると干からびてしまいそうでしたので、早めに旅館へ。今日の宿泊はひなの里 山陽館です。安い部屋でしたが、大浴場は三隈川を一望できるなかなかの景色です。夕暮れぐらいからは屋台舟が出始めていっそう情緒豊かになります。夕食は会席料理。バイキングで地産地消のおかずを選べるのですが、少し多めに取ってしまったようで食べるのにむしろ苦労してしまいました。でも味は美味しかったです。

夜、部屋のどこかに隙間でもあるのでしょうか、虫が入ってきて寝つきは良くなかったです。改善をお願いしました。


ひなの里山陽館


ひなの里山陽館 大浴場


三隈川の屋台舟 昭和の雰囲気です

6.日田散策(豆田町)

翌朝、列車まで少し時間があります。ということで市内散策。川沿いは遊歩道になっているのですが、特に何もありませんでした。

駅の北側は豆田町です。日田は天領(江戸幕府直轄の地)として栄えたところで、比較的裕福な商人や官僚が暮らしていました。豆田町は城下町で、今も歴史的建造物が多く残されています。時間がないのでさっさと歩いて、1周しました。時間があればゆっくり散策したい綺麗な町並みです。

日田で昼食を取りたかったのですが、朝食が遅かったことや時間がなかったことから諦めて、列車に乗りました。日田は焼きそばが名物だそうなので残念です。

再び列車に乗り、久大本線を上ります。次はいよいよ夜明です。


豆田町

7.夜明駅

今回の旅の最大の目的地、夜明に到着したのは12時2分。この普通列車を待ち構えていたかのように、構内には一眼レフカメラで撮影する人たちが数人いました。珍しい名前からやってくる鉄道ファンも多いそうです(私もその一人にカウントされてしまうのでしょうか)。周りには殆ど何もないので本来の利用者は少なそうです。駅舎にも駅員はおらず、すぐ向かいの商店で簡易乗車券を販売しているとの張り紙がありました。

その商店ですが、なんとも寂れた店で、中にはお爺さんが一人、また珍しい人が来たもんだとこちらを窺っています。本当の目的地だった夜明温泉というホテルについて尋ねてみたところ「半年ほど前から営業しとらん」ということでした。やはりこのような辺境の地に泊まり来る人は少ないのでしょうか。少し残念です。

まあ、営業してないところに行っても仕方ないので、一路西へ足を進めます。駅から3キロほど進んだところに夜明ダムがあります。九州電力の発電用ダムだそうです。そこへ行ってみました。が、なにせ台風が道を誤ったかのような晴天で、少し歩けば滴るような汗。私の汗腺は過酷な歩き旅を繰り返した結果、馬鹿になってしまったようです。本当、アニメのような滝の汗です。

ダムは巨大でした。中には入れないので、川瀬まで降りてみました。放流しているときは増水するので危険なようですが、今日は穏やかです。対岸まで渡ってみようかと思ったのですが、川底がヌルヌルしたのでやめました。

駅まで戻る道、なんとか15分ほど工面できたので、夜明薬湯温泉へ。こちらは宿泊はありません。350円で素早く温泉につかります。なんだかラーメンのスープのような匂いのする泉質でした。普通の温泉と濃い薬湯があるのですが、薬湯に入るときは大事なところを握って入らないといけないそうです。何と恐ろしい。時間がないのでやめときました。しかし、何とも気持ちのよい温泉ですので隠れたオススメポイントではあります。


夜明駅 中には思い出ノートがある。何を狙ってか…


夜明駅 左2本が久大本線、右端が日田彦山線


夜明ダム 南側からの眺め。北側から見たほうが綺麗みたいです、失敗。


夜明薬湯温泉 家族湯があったり、サービスは良いですね

8.帰路、由布院を経て西大分へ

夜明では2時間ほど過ごしただけでしたが、目的は達成できました。後は西大分まで帰りの切符を使って戻ります。大分行きの列車に乗り込んでから1時間半ほどで由布院に到着します。列車はここで30分ほど停車しているので、ぶらり途中下車。本当はここで1時間ほど過ごす予定だったのですが、由布岳を見ながら少し散策しただけで暑さに耐えかねてお土産とビールを買ってからまた同じ列車に乗り込みました。

大分駅では恒例となったトキハのデパ地下弁当を購入。それから西大分まで1駅。出港1時間前に乗り場に到着しました。

2回目の乗船となった「さんふらわあぱーる」。夏休みシーズンで利用者は多め。ライダーの人たちも続々と乗り込んでいました。後方に遠ざかっていく街の明かりを眺めながら、久々に短い旅だったと思いました。やっぱり色んなところを見ようと過密スケジュールにすると、パックツアーのように疲れてしまいますね。というか、暑すぎです。温暖化云々で旅行も命がけの時代になるのかもしれません。今日は大浴場に入って、早めの就寝としましょう。

現地の人は「何にも無いけん」と言うけれど、大分って見るところは沢山あるように思います。でも、次は大分を飛び越えて広い九州を巡ってみたいです。


由布岳 暑い中、由布院をちょっと散策


さんふらわあぱーる こちらも常連になってきました

旅のノート

7/1821:00三宮 ミント神戸 連絡バス
 22:40神戸六甲 さんふらわあにしき 乗船
7/1912:15大分 さんふらわあにしき 下船
 12:47西大分駅→
 12:55→大分駅 乗換→
 14:32→豊後森駅
 14:50豊後森機関庫
 15:25森町
 16:35日田バス 森町→豊後森駅前
 16:52豊後森駅→
 17:23→日田駅
 17:50ひなの里 山陽館 泊
7/2010:00ひなの里山陽館 出
 11:00豆田町散策
 11:52日田駅→
 12:02→夜明駅
 13:00夜明ダム
 13:30夜明薬湯温泉
 13:57夜明駅→
 15:25→由布院駅
 16:04由布院駅→
 17:01→大分駅
 18:08大分駅→
 18:11→西大分駅
 19:30大分 さんふらわあぱーる 乗船
7/2107:05神戸六甲 さんふらわあぱーる 下船
 08:00帰宅