9/6。今日は京都に、龍谷ミュージアムで催されている玄奘(三蔵法師)展を見に行った。

西遊記に出てくる三蔵法師は実在の人物で、玄奘という。玄奘は、経典を得るため長安を出発しはるばる天竺(インド)へと一人旅をした。あしかけ16年を費やし、天竺をめぐり数々の経典を中国に持ち帰った。それを今度は、人生をかけて翻訳にいそしむ。あの般若心経(般若波羅蜜多心経)も玄奘の翻訳したものということで、なにかと仏教に縁のある人なのである。

彼が長安を出てすぐ、砂漠で迷子になったときに命を救ったのが、深沙大将でこれは西遊記では沙悟浄として表現された。

玄奘は長安から天竺を目指すとき、「不東」といって「天竺に着くまでは決して(天竺より)東方にある長安には戻るまい」と決心した。その執念が壮大な旅と仏教の発展に寄与したが、彼は終盤、「不可得」といって「何も得ることができない」と悟った。すべてのことは変化し「空」である。だからあらゆるものは永遠に得ることはできないという。奥の深い悟りである。

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